もう 蝉の声を 聞いた…と
聞きますが
もう?蝉の声?
梅雨明けも去年より早くて
蝉の声も去年より早い
そして
暑い月日が長くなるのでしょうか
蝉と聞くと想い出す
どうにも 苦手な 蝉の記憶…
何年も前の出来事
帰りの電車内 ドア越しに
暗い外を見ながら
ふと ガラスに映る 自分の姿に唖然!
帽子の頂上に 何で 蝉が…?
何で 蝉も私と同じ方向を見てる?
あたかも 元居た場所に
帰って来たかの様に 落ち着いた様子で
余りにも 唐突過ぎて
余りにも 想定外で
余りにも 違和感無くて
始めから 帽子に付いて居るかの様で…
ガラスに映る 自分に茫然
そして 蝉と私だけの世界から
電車内の世界に戻る…
車内では 回りの視線が 私の頭上
変わらず 頂上に…
一人なので 笑い飛ばす事も
蝉を飛ばす事も出来ず
困り果てていた時
子供連れのお父さんが
救いの手を…そっと 優しく
離れたがらない 蝉を 包み込み
次の駅で
車外へ 飛び立たせてくれました
それは この帽子
この頭上に蝉が…
かなりの お気に入り…
毎年 夏になると かぶり続けて10年…
麦も日に焼け 飴色に
あ~
夏になると 想い出す
何とかの夏…
蝉の夏を…
yoshie miura